中央自動車道のトンネル事故が起きたので、急きょ注目されている本です。
著者は東洋大学の教授。
よかばい堂は時事問題、経済の本の買い取りをしています。
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12月 4th, 2012 | Permalink
福岡市南区高宮で買い取った本の中の1冊です。
高宮には西鉄大牟田線の高宮駅があります。
福岡市の中心地天神から電車で3駅目。
駅の前には再開発で建った高層マンションが2棟建っています。
再開発案件らしく福岡市の関連施設である男女共同参画センター「アミカス」が入っています。
貸会議室や図書室があり、私もよく利用します。
他の図書館の本を転送してくれたり、返却も可能だったりと便利です。
高宮通りを挟んで山の手には高級住宅地が控えています。
かのタモリの実家もこのあたりだとか。
芸能人がやたら出た高宮中学もこの近く。
タモリ、高橋真梨子、森口博子、博多華丸、氷川きよしなどが卒業。
駅の反対は転じて不動産屋の言う「準工的」色彩を帯びた一帯ととなります。
準工とは準工業地域の略で都市計画法上の土地利用の制限が小規模な工業も可能、商業も可能、住居も可能というところ。下町の工場(こうば)の並ぶイメージです。
実際には、それに連なる住居地域が緩衝地帯として広がっていますが、いわゆる住居専用地域は駅の西に集中しています。
いま、これを書くために確認しようと「福岡市」「都市計画図」でググるとあっという間に無料で閲覧できるページに飛ぶんですね。
おそらくそんなことになっているだろうと予想はしたけど実際に見ると感無量。
サラリーマン時代はこれを見るには高額な都市計画図を買うか、役場の都市計画課で閲覧するかしかなかった。
話は飛びました。
というわけで、本の話にはいります。
著者はデンマークの教育学者S・ハンセンと心理学者J・ジェンセン。
翻訳者は性学者で北欧法律学者の石渡利康とある。
この石渡先生は、たしかよくイレブンPMでよく見かけた。
50歳以上の方なら懐かしく思い出す方も多いのでは?
大橋巨泉が番組内で「日本もポルノを解禁したらいい」とよく主張していたが、その応援団の一人だったような印象がある。
これも不確かな記憶だが奥方がスウェーデン人(または北欧人)だったような。
そう思っていたら、こんな本があった。
『セクスタシー入門』(石渡利康、石渡クリスチーナ著)
http://www.junkudo.co.jp/detail.jsp?ID=0239610016
やはり奥様であったのは間違いないらしい。
「チビっ子」も「毛語録」もすでに死語。
毛語録は正確には『毛沢東語録』。
毛沢東はもちろん中国の指導者だけど、風俗的にはこの本が出た1972年頃は世界的な有名人というか今で言う「セレブリティー」の一人だった。
ビートルズの歌「レボリューション」にも名前が出てくるくらい。
今でいえばダライ・ラマかアウンサン・スーチー女史ってところかな。
西側諸国においては学園闘争などの反体制運動の象徴的なアイコンとしての意味も持っていたようだ。
この『チビっ子猛語録』もそうした反体制派の著者が書いているようだ。
本書の原タイトルは”Little Red School Book” だからやはり毛沢東語録を意識したネーミングだ。
この本は当時非常に話題になっていたはずだ。
当時中学生だった私の耳にもこの本の噂は入ってきていた。
何よりもその性に関するあけすけな表現が話題になっていたのだと思う。
日本だけではなく各国でも話題になっていたらしく、ヨーロッパでも発売禁止になった国がいくつかあるようだ。
訳者のあとがきによればフランスで発禁、英国で「押収されて目下抗争中」とある。
とはいっても今では英国や米国のアマゾンでも買える。
参考までに目次一部の写真を掲載してみよう。
当時話題だった本書も現在はほとんど流通していない。
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追記2014.2.10
先日テレビで(NHKのsongsだったと思う)高橋真梨子さんが福岡の実家を訪れるところをやってました。
すでにお母さまは他界されてるようですが、そのお母さまがご贔屓にされていたレストランに福岡帰省の際には立ち寄られるそうです。
よく見ると見たことのある店構えと屋号。
ネットで調べると南区野間の「傳」(でん、と読みます)というイタリアンレストラン。
じつは以前住んでいたマンションのすぐ近く。
家族と一度行った記憶があります。
今いる長丘からも近いのでまた行ってみようかな。
美味しい店がこの辺多いです。
いまでもときどき行く店があります。
中華料理の「台湾飯店」は、福岡に越してきた時はまだ小さな木造の店でしたが今はビルに。
台湾からの華僑の御夫婦がやっていましたが、今は息子さんと娘さんが継いでいるようです。
日本語の上手かったお母さんは数年前に亡くなりましたが、お父さんはご健在。ときおり見かけます。
もうひとつの中華料理「チャン」もよく行きました。
さらに、レモンラーメンが有名な「行徳屋」というラーメン屋。
年配のマスターのセンスが光る「やすらぎ」というカフェにはよく外車が停まってます。
クルマでわざわざ来る方が多いそう。
あとかなり古いで「気狂いピエロ」という店があります。
相当な老舗。
名前からしてゴダールですからね。
1960年代後半ぐらいからやっているのかも。
店の名前は高校生ぐらいのとき耳にしたことがあります。
地元のラジオかなにかで聴いたような気がする。
もちろん酒を飲む店だから高校生には縁が無かったし、そのあと東京の大学に進学したので行ったこともなかった。
それから20年以上経ってサラリーマンとして転勤してきた際の住所がすぐ近所。
ときおり家の前でタクシーを降りて、最後の一杯を飲んで帰っていたことがありました。
すごく温厚なマスターがいらしたことを覚えています。
12月 3rd, 2012 | Permalink
小津安二郎監督のシナリオ集。脚本家の野田高梧との共著。
写真左の『お茶漬けの味 他』には表題作の他、「麦秋」と「晩春」がおさめられています。
帯には「日本映画の粋! 小津安二郎と野田高梧のコンビが生んだ作品を集める。繙けば、名篇と共に涯しない追憶に誘い込まれる。日本最高のシナリオ集」。
映像作品は自宅のテレビで何度か見たけど音響が悪くて聞き取れなかったセリフがこの本を読んで氷解することも。
たとえばこんなセリフ、いまどき誰も使わないから母国語といえどもヒアリングはほぼ無理。
「あの人今これなんだって、ラーヂーポンポン、七ヶ月…」
ラーヂーポンポン…。たぶんlarge ポンポン(=お腹)で、「お腹が大きい(妊娠中)」ことを言うのだと思う。
これは「晩春」の中のセリフです。
この頃はこういう言い方が使われていたのかもしれない。
もう一冊の『早春』は岸恵子の可愛らしさが印象的でした。
彼女が新婚の池部良をかどわかすんですね。
もうひとつ興味深いのは登場人物の年齢が書かれていること。
これは映画だけを見ていてはわからない。
シナリオを読んで初めて、役の年齢を知るわけです。
佐分利信が扮する『お茶漬けの味』の主人公はなんと42歳。
役者の実年齢は別として少なくとも小津監督と野田高梧はそういう設定で書いていた
(ちなみにこのとき1909年生まれの佐分利信は43歳)。
今頃の42歳とはたとえば誰でしょうか?
調べたらナイナイの岡村くんが1970年生まれですね。
あと博多華丸・大吉もこの年生まれだそうです。
「お茶漬けの味」の佐分利信と同い年だとはにわかには信じがたいです。
こんなのもシナリオを読む楽しみのひとつかもしれません。
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11月 28th, 2012 | Permalink
いわゆる「トンデモ本」というのでしょうか。
ユニークな論を展開されているようです。
などと遠慮しながら書いてますが、ウィキペディアの関英男の項には「晩年は「太陽の表面温度は26度で、黒点には植物が生えている」「陽子が歪むと癌になり、中性子が歪むとエイズになる」などの奇説を唱えた」
とあります。
同時に「電波工学の世界的権威として知られ、電気通信における雑音消去の面で画期的な業績をあげた」ともあります。
なかなか興味深い人物です。
よかばい堂はさまざまな種類の本の買い取りをいたします。
また、お売りいただける本がある程度あれば、百科事典や文学全集などの無料引き取りも併せて行っています。
「お売りいただける本がある程度あれば」というところがポイントです。
この点をご理解ください。
(2017年12月注記:現在上記のサービスは行っておりません)
「私の本は買ってもらえるの?」とお思いの方、お電話でご相談ください。
福岡市中央区・南区・城南区・早良区・博多区あたりなら、少なくても参上した方が早いこともあります。
でも基本は本の内容をお尋ねします。
マンガなのか小説なのか。自己啓発本なのか。
作家名やジャンル名、いつごろのものなのかがわかると判断しやすいです。
買い取り範囲はおおむね福岡市とその近郊をメインにしています。
大量の本のご処分をご検討であれば、遠方まで足をのばします。
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11月 25th, 2012 | Permalink
このシリーズの古いものは見ているだけで楽しいですね。
なんといってもその魅力は写真。
「東京の味」シリーズは、今で言うグルメ本のはしりかもしれません。
料理の写真もさることながら、映り込んでいる人物の髪形や服装に目が行きます。
意図しないところにその時代の無意識が出ているのが面白いですね。
プロのカメラマンではない著者が撮ったものなどが使われているのでしょう。
いまどきの出版物ではダメ出しされそうなお気軽なスナップが使われていたりします。
でも、そういうものが却ってこちらの気を引きます。
目の前の客の後頭部が大きく映り込んでいたり、カメラ目線で乾杯しているカウンターの酔客の姿とかを見つけるのが楽しかったりもします。
また文体や語彙も時代を反映しています。
昭和48年(1973年)初版の『東京の味Ⅱ』には「ヤング」という言葉が頻出します。
若い人にはわからないかもしれません。当時は「若者」という意味でよく使われていました。
「ヤングのための酒場 京王プラザホテル ヤング・バー」の項には「ヤング・ピープルのためにデザインした、ヤングのためのバーである」とあります。
「四角いピザ シシリア」の項には「かつてのヤングのアイドル水谷良重の走り書きで始まった落書きで、店内の壁から天井までまっ黒になっている」とあります。
ホテルのバーが「ヤングバー」なのですから、この言葉はそうとう流行っていたのでしょう。
水谷良重がヤングのアイドルだった、とは知りませんでした。
なんだかみうらじゅんが古い絵葉書を解説した『カスハガの世界』みたいになってきました。
ピラフが紹介されていますが、これってドリアのような気がしますがどうでしょう。
その辺の区分はまだ未分化の時代があったのかもしれません。
そういえば昔は喫茶店でピラフを食べて、レモンスカッシュを飲むのが若者のデートの定番だったような気がします。
それ以上のおしゃれな食べ物や飲み物が大衆化するのはもう少しあと(『なんとなくクリスタル』や「ポパイ」「JJ」の頃)だったと思います。
一方でさすがに名店は今でもまだ残っている店も多いです。
うなぎの野田岩は、個人的に懐かしい店です。
20年近く前になりますが、サラリーマン時代に出向していた研究所で会議の時にはよくここの出前をとっていました。
いま思うとずいぶん贅沢な出前だったです。
この「東京の味シリーズ」は1960年代~70年代に初版が出ているので、当時の空気が強く感じられます。
これも古本の愉しみのひとつですね。新刊本ではなかなか味わえないもののひとつでしょう。
同カラーブックスの『ハワイガイド』は昭和44年(1969年)の初版。
東京オリンピックが終わり5年経ち、翌年は大阪万博をひかえた年。
大学紛争のピークで東大の入試がなくなった年だったはずですが、
同時に消費社会もピークに向かっている頃で、海外旅行の大衆化も始まった頃です。
奥付によれば著者は日本航空の社員。
JALパックの料金も紹介されています。
4泊6日で19万3000円。
初任給が数万円の頃でしょうから、その数か月分なのでしょう。
ずいぶん長くなりましたが、「カラーブックスシリーズ」を紐解きながら、古書の世界を散策してみました。
追記2014.2.9
ヤングという言葉が多く使われていると書いたけど、けっきょくこれって団塊の世代の別称ではないのかな?
当時のヤングとはすなわち団塊ですね、間違いなく。
1970年前後の20歳前後は戦後のベビーブーマー=団塊の世代。
けっきょくこの世代が 時代ごとに別称を持ち脱皮を繰り返していくというイメージ。
いまはシルバー世代とか呼ばれてるところのものでしょう。
しかし、そのネーミングがあまりにもトホホな感じなのは、今ほど外国語を使ったネーミングテクノロジーが発達してなかったからだけ?
よく考えるとその頃ネーミング(に限らず、社内で意思決定をする場合)の権限を担っていたのはおそらく当時の40-50歳の人間のはず。
つまり1920年代頃に生れた人たち。大正から昭和ひとけたの人。
そう思うとなんとなく納得できるような気もします。
「最近は戦後生まれのベビーブームの連中が増えたから、彼らにどんどん店に来てもらいたいね。連中はとにかく数が多いからこれからはいい客になってくれるはずだよ。違うかねキミ?」
この部長さんおそらくは「ベビーブーマー」とは言わなかった気がする。
もちろん「団塊の世代」という言い方もまだ当時はなかった。堺屋太一の同名小説は70年代後半になってから。
そういうちょっとしゃらくさい、より英語的に正しいカタカナ語は、多分もう少し後の1970-80年頃になってから使われ出したんじゃないかな。
いえ、未確認なので間違っていたら訂正します。
とまあ、そんな大正生まれの部長の声を受けて昭和一桁生まれの課長が、
「おっしゃる通りで。じゃ、部長ひとつここは英語を使ってはどうでしょう。若者のことをヤングというそうだですから、それでいきませんか?」
「お、いいね、さすが昭和生まれはセンスが違うね。英語と来たかい。ヤングの集まるバーでヤングバーか!」
「いや、お見事。部長、さすがに海軍ご出身だけあって英語はお手の物ですなあ」
「はっはっは。これからはヤングの時代だよ。君たちも頑張りたまえ」
というような会話が行われたかどうかわかりませんが、こちらの妄想がここまで暴走してしまうほど、
当時の古本には面白みがあるということで。
お後がよろしいようで。
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