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福岡市博多区春町で料理本・レシピ本の出張買取:シェフシリーズや全集


11月 28th, 2013 | Permalink

西鉄大牟田線に雑餉隈という駅があります。近くにはJR鹿児島本線の南福岡駅も。

このあたりは福岡市南区と博多区と大野城市と春日市の境が接していて入り組んでいます。

今日はそのうちの博多区で大量の料理本の出張買取をしました。

中華料理、和食、洋食、フランス料理、イタリアン、エスニック…。

ありとあらゆる料理本です。全集や貴重な雑誌も大量に含まれていました。

味公爵の全巻セット揃い。

季刊フランス料理もこんなに揃っています。

タイムライフ社の全集。

これはラルースの料理百科事典全6巻。

雑誌dancyuの山。

どうですか?

壮観でしょう。

これでもまだほんの一部。

人気の入江麻木さんの本も出てきます。

小澤征爾の義理のお母さんですね。

ロシア人貴族に嫁入りし、相手の料理を徹底的に仕込まれたそうです。

中央公論社から出たいまでも人気の「シェフシリーズ」と「暮しの設計」。

すごく金のかかった編集で、もうこんなシリーズは作れないのでは?と思うほど。

おかげで料理の本には一当たりできたので、ずいぶん勉強になりました。

よかばい堂は料理の本・レシピ本の買い取りを積極的に行っています。

まずはお電話でご相談ください。

092-408-4208

追記:2014.2.27

今日お電話で『気軽に楽しむスペイン料理』という本についてお尋ねがありました。

このときに仕入れた本の1冊です。

中央公論の「暮しの設計」シリーズの一冊で古本価格にプレミアが付いています。

このシリーズや同じ中公の「シェフシリーズ」はけっこうプレミア価格になっているものが多いです。

ここでいうプレミアとは定価を上回っているという意味です。

絶版または品切れ重版未定の本で、需要が供給を上回と相場が上がります。

当たり前ですが、逆に絶版でも供給が需要より多ければ価格は上がりません。

中学校の社会科みたいですね。失礼しました。

おそらく今ではこんなに手間ヒマと予算をかけた雑誌はもう作れないのでしょうか。

そんなこともプレミアになる理由のひとつかもしれません。

ひとつのレストラン、ひとりのシェフを紹介するために1冊を費やしているという贅沢なつくり。

料理の写真を撮るにはまず料理を作らなければならない。

店側の協力も大変なものでしょう。

この本ができた1993年問えば、バブル期は一応終わってはいたものの、まだ世間的には相変わらず社用族が経費を使っていたころ。

リゾート開発も盛んであらゆる業界から「視察」という名の費用は会社持ちの旅行が盛んだったころです。

店側も協力すれば充分元が取れるほど客が来たのでしょう。

以上、サラリーマン時代を思い出しながら書いてみました。

でも、確かに当時は会社の金で仕事してるんだか遊んでるんだかわからない人が会社にたさんいました。

さらに、店側もメニューを増やすためにもこういう本の需要があったでしょうから、作ればどんどん売れたのだと推測できます。

以上一古本屋の勝手な憶測です。

きっと勘違いや間違いが多いでしょうから、ご指摘いただければ幸いです。

お電話いただいた方ともそんな話を数分して、なぜ相場が高くなっているかをご説明しました。

本に関するさまざまなお問い合わせお待ちしています。

本を売る時もできれば本棚の整理前にお電話ください。

092-408-4208

090-3664-6867(携帯)

古書の愉しみ 保育社 カラーブックスシリーズ


11月 25th, 2012 | Permalink

このシリーズの古いものは見ているだけで楽しいですね。

なんといってもその魅力は写真。

「東京の味」シリーズは、今で言うグルメ本のはしりかもしれません。

料理の写真もさることながら、映り込んでいる人物の髪形や服装に目が行きます。

意図しないところにその時代の無意識が出ているのが面白いですね。

プロのカメラマンではない著者が撮ったものなどが使われているのでしょう。

いまどきの出版物ではダメ出しされそうなお気軽なスナップが使われていたりします。

でも、そういうものが却ってこちらの気を引きます。

目の前の客の後頭部が大きく映り込んでいたり、カメラ目線で乾杯しているカウンターの酔客の姿とかを見つけるのが楽しかったりもします。

また文体や語彙も時代を反映しています。

昭和48年(1973年)初版の『東京の味Ⅱ』には「ヤング」という言葉が頻出します。

若い人にはわからないかもしれません。当時は「若者」という意味でよく使われていました。

「ヤングのための酒場 京王プラザホテル ヤング・バー」の項には「ヤング・ピープルのためにデザインした、ヤングのためのバーである」とあります。

「四角いピザ シシリア」の項には「かつてのヤングのアイドル水谷良重の走り書きで始まった落書きで、店内の壁から天井までまっ黒になっている」とあります。

ホテルのバーが「ヤングバー」なのですから、この言葉はそうとう流行っていたのでしょう。

水谷良重がヤングのアイドルだった、とは知りませんでした。

なんだかみうらじゅんが古い絵葉書を解説した『カスハガの世界』みたいになってきました。

 

ピラフが紹介されていますが、これってドリアのような気がしますがどうでしょう。

その辺の区分はまだ未分化の時代があったのかもしれません。

 

そういえば昔は喫茶店でピラフを食べて、レモンスカッシュを飲むのが若者のデートの定番だったような気がします。

それ以上のおしゃれな食べ物や飲み物が大衆化するのはもう少しあと(『なんとなくクリスタル』や「ポパイ」「JJ」の頃)だったと思います。

 

 

一方でさすがに名店は今でもまだ残っている店も多いです。

うなぎの野田岩は、個人的に懐かしい店です。

20年近く前になりますが、サラリーマン時代に出向していた研究所で会議の時にはよくここの出前をとっていました。

いま思うとずいぶん贅沢な出前だったです。

 

この「東京の味シリーズ」は1960年代~70年代に初版が出ているので、当時の空気が強く感じられます。

これも古本の愉しみのひとつですね。新刊本ではなかなか味わえないもののひとつでしょう。

 

同カラーブックスの『ハワイガイド』は昭和44年(1969年)の初版。

東京オリンピックが終わり5年経ち、翌年は大阪万博をひかえた年。

大学紛争のピークで東大の入試がなくなった年だったはずですが、

同時に消費社会もピークに向かっている頃で、海外旅行の大衆化も始まった頃です。

奥付によれば著者は日本航空の社員。

JALパックの料金も紹介されています。

4泊6日で19万3000円。

初任給が数万円の頃でしょうから、その数か月分なのでしょう。

 

ずいぶん長くなりましたが、「カラーブックスシリーズ」を紐解きながら、古書の世界を散策してみました。

 

追記2014.2.9

ヤングという言葉が多く使われていると書いたけど、けっきょくこれって団塊の世代の別称ではないのかな?

当時のヤングとはすなわち団塊ですね、間違いなく。

1970年前後の20歳前後は戦後のベビーブーマー=団塊の世代。

けっきょくこの世代が 時代ごとに別称を持ち脱皮を繰り返していくというイメージ。

いまはシルバー世代とか呼ばれてるところのものでしょう。

しかし、そのネーミングがあまりにもトホホな感じなのは、今ほど外国語を使ったネーミングテクノロジーが発達してなかったからだけ?

 

よく考えるとその頃ネーミング(に限らず、社内で意思決定をする場合)の権限を担っていたのはおそらく当時の40-50歳の人間のはず。

つまり1920年代頃に生れた人たち。大正から昭和ひとけたの人。

そう思うとなんとなく納得できるような気もします。

 

 

「最近は戦後生まれのベビーブームの連中が増えたから、彼らにどんどん店に来てもらいたいね。連中はとにかく数が多いからこれからはいい客になってくれるはずだよ。違うかねキミ?」

この部長さんおそらくは「ベビーブーマー」とは言わなかった気がする。

もちろん「団塊の世代」という言い方もまだ当時はなかった。堺屋太一の同名小説は70年代後半になってから。

そういうちょっとしゃらくさい、より英語的に正しいカタカナ語は、多分もう少し後の1970-80年頃になってから使われ出したんじゃないかな。

いえ、未確認なので間違っていたら訂正します。

 

とまあ、そんな大正生まれの部長の声を受けて昭和一桁生まれの課長が、

「おっしゃる通りで。じゃ、部長ひとつここは英語を使ってはどうでしょう。若者のことをヤングというそうだですから、それでいきませんか?」

「お、いいね、さすが昭和生まれはセンスが違うね。英語と来たかい。ヤングの集まるバーでヤングバーか!」

「いや、お見事。部長、さすがに海軍ご出身だけあって英語はお手の物ですなあ」

「はっはっは。これからはヤングの時代だよ。君たちも頑張りたまえ」

というような会話が行われたかどうかわかりませんが、こちらの妄想がここまで暴走してしまうほど、

当時の古本には面白みがあるということで。

お後がよろしいようで。

 

 

 

 

 

 

 

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