川上宗薫といえば戦後昭和の代表的な官能小説家のひとり。
徳間書店から出ているこの新書は、いまではちょっとみられない牧歌的な雰囲気を持っている。
もっぱらエロティックな話がほとんどの本だけど、どこか牧歌的だ。
そういえばこの作者「失神派」と呼ばれていたような記憶が。
いかにも昭和な感じがするタッチのイラスト。
フジ三太郎に似てる。
2015.1.16追記
ウィキペディアによると彼は1946年西南学院卒業とある。
同じ年、西南学院のすぐ近くに住んでいた長谷川町子は夕刊フクニチの要望で「サザエさん」を連載する。
時に長谷川町子26歳川上宗薫22歳。
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今では福岡市営地下鉄の西新駅から西南学院方面に向かう道には「サザエさん通り」の名称がついている。
通りの西側には修猷館高校がある。
1954年には宇能鴻巣一郎が同校を卒業している。
長谷川町子は措いといて、川上と宇能という昭和の官能小説の両巨頭が同じ街に青春期を過ごしたことは興味深い。