お電話をいただいたのは12月23日祝日(天皇誕生日)の朝。
「引っ越しするので、全部処分したいのですが…」というご相談でした。
まず本のある場所をお聞きします。
市内および近郊であれば問題ありません。
次に本の分量をおききします。
「何冊ですか?」とお聞きすることはまずありません。
正確な冊数を把握されてる方はまずいらっしゃいませんし、「○○冊ぐらいかな」とおっしゃって、その通りだったことはまずありません。
だいたい数倍の開きがあります。
なので、本がどこに入ってるかを聞きます。
本棚にあるのか、段ボールに入れたのか、ヒモで縛ったのか。
その上で本棚何段分とか、段ボール何箱かとかお尋ねするとうより正確な分量がわかります。
最後に本そのものについてお尋ねします。
雑誌、コミック、人気作家の小説などはお値段がつきにくいものが多いので、電話の段階でそう申し上げます。
買わせていただきたい本だと思うと、ご住所・お名前・お電話番号をお尋ねします。
時間が許す限りなるべく早く参ります。
本の処分や整理をやってる最中に気づく方が多いので、すぐにでも処分したい気持ちになっているからです。
きのうは30分後には参上することができました。
中央区地行といえば福岡ドームのすぐ近く。
地下鉄の唐人町にも近くて便利なので人気の住宅地です。
大濠公園や西公園も徒歩圏にあるし環境も利便性も言うことなしのうらやましい立地です。
弊店からは六本松や草ヶ江といった人気の場所を抜けていきます。
そんないい場所ですが、引っ越しされるとのことで本の処分をなさったようです。
その際に仕入れた本の一部です。
珍しい本がありました。
『鎌倉夜話』(石津寛)
帯からの引用。
「小倉遊亀(日本画家) この書は、私の亡夫の言行録です。
私が亡夫の身辺のお世話をさせていただきながら、日々体でもって教えられた事どもが、この書を読みながら改めて思い出されます。言わば、この書は私にとって何物にも換えがたい形見とも言えるものです。」
小倉遊亀(おぐらゆき)は小倉鉄樹の妻。鉄樹は山岡鉄舟の弟子。
著者の石津寛は若いころその鉄樹の弟子で長じて医者となったらしい。
その石津が師である小倉鉄樹の言行をまとめたのが『鎌倉夜話』。