最近古い雑誌を立て続けに仕入れました。
週刊誌、女性誌、文芸雑誌などさまざまなものがありますが、ビジュアル的にも面白い広告やグラビアのあるものをいくつか紹介します。
昭和30年代から40年代のものが多く、このあたりは人気があります。
よかばい堂店主の10代20代とも重なっている頃なので、可能な限り記憶を呼び起こしてご紹介します。
まずは「週刊朝日カラー別冊 1970年 winter」
特集は「インテリア」
岸田今日子、石井好子、イーデス・ハンソン、勅使河原蒼風などが自分の部屋を紹介する内容。
岸田今日子には「新劇女優」という肩書がついている。
この年の前後から始まったテレビアニメ「ムーミン」で複数の役の声を担当していたと記億。
あと、五木寛之の「モルダウの重き流れに」が一挙掲載(100枚)。
この作品、この雑誌が初出だとは知らなかった。
「さらばモスクワ愚連隊」で直木賞をとったのが数年前だから、当時は新進気鋭の作家だったはず。
モスクワとかモルダウとかプーキシンなどといったロシア東欧の固有名詞を好んで使う人だった。
早稲田の露文科出身だからとういうこともあろうが、社会主義への幻想がまだ残っていた時代だからだろう。
その特集「インテリア」から横尾忠則のページをご紹介。
彼もまた当時は新進気鋭のデザイナーだったはずだ。有名なサンタナのレコードジャケットは多分この数年後。
写真右上の神棚横にビートルズの写真が貼られている。これはいわゆる「ホワイトアルバム」の付録。
横尾忠則にかぎらず多くの取り上げられた人の文はインタビューを起こしたもののようだが、高峰秀子の文章はご本人が書かれたもののようだ(違っていたらごめんなさい)。
あの男っぽい断定口調のエッセイのファンはおわかりだろう。
そうかと思えば、中にはこの短い文の最初から最後まで自慢話で埋め尽くしているご仁もおられる。
ご興味のある方は実物をご覧ください!
後ろ見開きにはサンスイのステレオの広告。
ページが折れて残念だが、もちろん浅丘ルリ子さん。
最近ご自身で二十歳前後の頃に小林旭と同棲していたと暴露したが、これはそれより数年後ぐらいだろうか。
浅丘さんは他の古雑誌でも拝見するが、本当にお美しい。
あと、忘れてはならないのがフランスの大スタージャン・ギャバンとの独占インタビュー。
よくインタビューできたものだと思ったが、編集後記でその経緯が説明されている。それに添えられたスナップ写真が魅力的だ。
大スターなのに大型セダンの後部座席じゃなく、小型車の助手席に乗っているのがちょっと不思議。
当時はフランスの代表的な大型車はぺちゃんこのカエルみたいなシトロエンだと思うが、それではなさそう。
もっと小さいクルマのように見える。
詳しい人ならこの写真だけで車種がわかるだろう。