2022.1.18
きのうNHKの朝の番組「あさイチ」でリユースの特集をしていた。たしか日本リユース協会(記憶で書いているので間違っていたら訂正したい)とかいう業界団体の長が最初は不用品の処分の仕方について説明していた。途中から古本の売り方について説明し出したのだがいくつかの点でかなり偏った説明をした。記憶している範囲では、以下の2点だ。
1)本の帯はあってもなくても査定に影響しない
2)本の書込みや線引きは査定に影響し、買い取り対象もならない場合もある
明らかな間違いといだとは言うまい。ただ、これは一部の本の買い取り業者の社内ルールを述べたものに過ぎない。テレビで広範囲の視聴者に何の前提もなしに説明するのは偏っていると言って過言ではない。
もちろん彼が言うように、ある種の本、つまりたとえばブックオフが買取対象とするような新しい本について言えば、帯の有無は査定に影響しないこともあろう。
それとは逆に事実本の帯が価値を持ち、価格にも大きな影響を持つ例は枚挙にいとまがない。
一例を挙げよう。

今日現在出品中の三島由紀夫の本に帯がついてなかったら大きく値が下がるはずだ。
つまりある種の稀覯本においては歴史的資料としても意味を持ったり、コレクターアイテム化していたりすることで帯が重要な価値を持つことがある。
2)の書き込み線引きについては、総じて値引き要因ではあるのは確かだが、稀少な本ならば書き込み線引きがあっても商品として充分に成立するので、それなりの査定額も出る事がある。これを無視することは公平ではない。
どうやらこの御仁(日本リユース協会の会長)はブックオフコーポレーションの社長でもあるらしい。
つまるところ彼は自社の(あるいはリユース協会に属した会員企業の)買い取り基準だけを説明したに過ぎない。リユース協会の会長が専業ではない本の買い取りまで一般論を述べたのは勇み足だった。
当たり前だが本の買い取りをするのは彼らだけでなく、古書の扱いを専門とする古書店もある、いや そういう古書店(もちろん弊店も含めて)は果たして帯は無くても査定に影響しない、などと言うだろうか?