建築系の本を売りたいというお話をいただく場合、必ず聞くのが意匠系か施工系かということ。意匠系とはデザインすなわち設計のことで大きくいえば美術系でもある。一方の施工は文字通り工事関係のことであり工学すなわちエンジニアリング。
施工関係の本はマニュアルとか手順書的なものも多く、しかも建設関係の従事者数が多いことで本の部数も多く中古本価格は崩れやすい。反面意匠系の本で有名建築家の作品集などは写真の他に図面もあり、高額な本が多いうえ古くても価値が下がりにくく、古本屋にとってはありがたい本が多い。
お電話をいただいたとき、意匠系の本が多いと聞いていたが、実際に見て予想以上にいい本が多く驚く。売主さんとお話しすると、他の本屋には断られたとのこと。不思議なこともあるものだ。こんないい本が多いのに断るとは理解し難いが、その本屋が辞退してくれたおかげでこちらはありがたい買取ができた。売主様も、一度はあきらめた本が思わぬ高値で売れたようで喜んでいただけた模様。