博多区の元町といえば、JR南福岡駅や西鉄大牟田線の雑餉隈が近いところ。
駅近くの立派なお屋敷からお声が掛り参上してきました。
ご主人が若いころから買ってこられた蔵書の一部を分けていただきました。
見積額を奥様にお伝えすると、外出中のご主人まで連絡を取ってくださり、一発回答を頂戴しました。
団塊の世代と呼ばれる年代の方でしょう。
70年代ごろのサブカルチャーや思想書・文芸書が多いことからも伝わってきます。
70年代は「バックパッカー」「貧乏旅行」「ヒッチハイク」などというキーワードとともに、若者が海外旅行をすることが流行っていました。
若い人が海外に出なくなったといわれる昨今とは対照的です。
その当時の海外旅行のガイドブック。
アーサー・フロマーのガイドブックの日本語訳「ヨーロッパ1日10ドルの旅」や、
枝川公一の「地球を歩くガイドブック―日本脱出あなたの番」。
タイトル自体が興味深いです。
「日本脱出」。
日本とは脱出するに値する場所だったという当時の若者の意識が反映されていると言ってよいタイトル。
しかもそれが次は「あなたの番」だと言って脱出を示唆している。
時代を感じさせる興味深いタイトルです。
アーサー・フロマーとカタカナで書くとわかりにくいけど、本好きならこういう光景は目にした人も多いのでは?
http://money.cnn.com/2013/04/04/technology/google-frommer/index.html
洋書のガイドブックコーナーでよく見るシリーズです。
このフロマーのごく初期のガイドブックの日本語訳。
当時はまだ「地球の歩き方」シリーズは刊行される前。
しかしこの装丁はこの後出てくる「地球の歩き方」の先取りをしているといえそうです。
今では貴重な資料と言えそうです。
他にも小野耕世のアメリカンコミックの本や、エーリッヒ・フロムやトマス・クーン・鶴見俊輔の思想書などお譲りいただきました。
よかばい堂は思想書・文芸書や古いサブカルチャーの本などを買い取りします。
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