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古い雑誌の楽しみ方(3) 「旅」 1970年9月


言わずと知れた交通公社(当時)が発行する旅の雑誌。

グラビアの写真は今でいう地方の「小江戸」「小京都」みたいなものが多く、案外旅のコンセプトは変わってないと感じる。

やはり広告に目が行ってしまう。

たとえばこれは三菱ギャランの広告。

これはストロボの広告。このころから旅とカメラはつきものだったのだろう。

ただ、いまではストロボだけの広告が一般誌に載るとは考えにくい。

その意味でちょっと珍しい。

男女のモデルの名前はわからないが、ふたりともかなり脂っこい顔をしている。

女の子はちょっと見ロザンナかと思ったが別人。

というわけで、ストロボがあるならもちろんカメラの広告もある。アサヒペンタックス。かっこいい。

これはパックツアー「ルック」の広告。

雑誌の発行者でもある交通公社(JTBの前身)の商品だから、扱いにも気合が入っている。

タイアップ記事もこんなに大きな写真を使っている。

モデル(特に右側)のメイクが時代を感じさ褪せて興味深い。

若い女性の海外旅行のはしりだろう。

広告はこのくらいにして、目を引いたのはこんな人が書いた記事。

まずは吉永小百合さん。

腕がものすごく太く見えるが、これは印刷の解像度が悪いのと、折悪しく背景が肌の色と近いためか、そう見えるだけ。

ロケハン余話と書いてあるから、本編が別にあるようだ。いきなりマキちゃんという人物が登場しふたりきりで春先の雨の中をバスと徒歩で野麦峠へ向かうという話のようだ。

いまの時代なら遭難するかもしれない無謀な「大冒険」を大スターが平気でやってる。

もうひとつ。これは野坂昭如さん。

『エロ事師たち』たちでデビューした作家らしく、猥歌を探し求める旅。

彼が採集した歌の一部を紹介。放送禁止用語入り。

〽娘十七、八ちゃの新造の舟だ

人が見たがる乗りたがる

 〽今宵おいでませお父さんは留守じゃ

お母さんつんぼで目が薄い

最後にちょっと珍しい人のエッセイを。

飯島衛という大学教授のエッセイ。

この方じつはよかばい堂店主の大学時代の先生だった。

一般教養課程で自然科学概論を教えていただいた。

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