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福岡市城南区での古書・絵画・掛軸等の買い取り


11月 17th, 2014 | Permalink

西南学院大学の仏文科のに有田忠郎さんという教授がおられました。

フランス文学のポール・ヴァレリーが専門でその訳文の格調の高さには定評があったと聞きます。

残念ながら2年前にお亡くなりになっています。

弊店でこの方の残したいくつかの品をある経緯をだどって入手いたしました。

そのいくつかをご紹介します。

有田さんはフランス文学専攻であると同時に詩人でした。

最初の詩集を出したのが40歳を過ぎてから。かなりの遅咲きと言えそうです。

亡くなる2年前には「第25回詩歌文学館賞受賞」を受賞してます。

長らく詩の同人誌「同時代」の同人でもあったようです。

彼が受け取った膨大な手紙やはがきには多くの文人や詩人からの物が含まれます。

文学好きの人に驚くほどの多士済々な顔ぶれ。

とくとご覧あれ。

澁澤龍彦

種村季弘

池内紀 

松永伍一

飯島耕一

阿部良雄

出口裕弘

朝比奈宣英

加島祥造

鷲巣繁男

饗庭孝男

多田智満子

雪野恭弘

風倉匠

種村季弘

小海永二

巖谷国士

鈴木漠

宇佐美英治

弓削三男

粟津則雄

渋沢孝輔

入沢康夫

天沢退二郎

窪田 般彌

串田孫一

高橋睦郎

etc

その多くとは一回限りではなく数回にわたるやり取りを交わしています。

これほどの広い知己を持つ文学者が福岡にいたことに正直おどろきました。

このブログで少しずつご紹介していきたいと思います。

2014.11.25

蔵書を整理する中で、パンフレットや書類に挟まれたごく薄い詩集を発見しました。

発見という言葉が大袈裟でないぐらい目立たない装丁の詩集。

谷川雁の第一詩集『大地の商人』です。

この詩集はその後再版されているようですが、手元にあるこの版は初版の限定200部のもの。

きわめて珍しい本です。

谷川雁は九州は熊本の人で旧制の第五高等学校を出て東大文学部を卒業しています。

詩集の持ち主だった有田忠郎さんも同校を卒業しているので先輩後輩の関係ですが、歳が5つ離れているので知り合いだったかどうはわかりません。

2014.11.26

サン=ジョン・ペルスの詩集『遠征』を見つけました。

ノーベル文学賞を取ったフランスの詩人。

後年有田さん自身も訳していますがこの本は福田陸太郎の訳の1957年の本。

限定300部です。

2015.1.15

1月23日から30日にかけて福岡市中央区白金のすみ画廊(電話090-2088-1981)で、「有田忠郎の詩と画家たち」と題した展覧会を開きます。

絵は弊店から出品します。

有田忠郎の詩と画家たち

フランス文学者であり詩人でもあった有田忠郎(1928-2012)。このたび当ギャラリーでは彼が収集した絵画を展示します。

有田忠郎が高く評価した福岡の孤高の画家小島義也の作品7点を中心に、有田忠郎の詩集の挿画を手がけた小野絵里の作品、さらには有田自身の手による銅版画なども展示。

また彼が受け取った膨大な書簡の中から見つかった、フランスの哲学者エミール・シオラン(1911-1995)や歿後も変らず強い存在感を持ち続ける澁澤龍彦からの書簡なども展示の予定です。

有田忠郎(1928-2012)。佐世保市出身。九州大学仏文科卒業。北九州大学・西南学院大学の教授を歴任。文芸誌「同時代」」同人。福岡市文学賞、日仏翻訳文学賞、第25回詩歌文学館賞受賞。

小島義也を高く評価した有田忠郎は「騒音の時代の静寂」という寄稿文でこう評価しています。

「芸術家は芸術を通じて窮極には神に仕える。それはまた人々に対する私心を去った愛でもある。小島氏は(中略)、その境地に一歩でも近づくことを願っていた」(読売新聞1984年5月9日夕刊「騒音の時代の静寂―小島義也が遺したもの」)。

晴れがましい場所を敢えて避けるように生きた詩人と、孤高と呼ばれた画家。「騒音の時代の静寂」であったこの二人を回顧する作品展をぜひご覧ください。

展示予定作品

有田忠郎 無題 2点

小島義也

有田滋子

小野絵里

釘宮哲子

2015.1.21

いよいよ今週末より「有田忠郎の詩と画家たち」が始まります。

澁澤龍彦からの書簡を額装してみました。

こんな感じ。

フランスで生涯を終えたルーマニアの哲学者エミール・シオランからの書簡もあります。

はっきり読めなくて申し訳ないのですが、滝沢克己の名前がでてきます。

九州大学の教授だった人です。

シオランから有田忠郎へ

1967年の日付が。

シオランの住所はオデオン通り21番地。

ウィキペディア英語版によるとこの地はシオランが生涯の大半を過ごした地とあります。

(021: Romanian philosopher Emil Cioran lived at this address for most of his life.)

Rue de l’Odéon

皆さまのお越しをお待ちしております!

福岡市中央区白金のすみ画廊です。

下の地図を参考に。

マンションの5階になります。

薬院駅前の大きな通り(城南線)からの目印は隣の新生堂薬局です。

090-2088-1981

「有田忠郎の詩と画家たち」1月23日(金)~30日(金)

西新・藤崎地区での本の買取


1月 30th, 2014 | Permalink

早良区の高取といえば人気の住宅街です。

なんといっても西新は若い人にも家族持ちにも人気の街。

西南学院大学の他に、県立修猷館高校と西南高校とふたつの高校もあり学生・生徒も多い。

古い商店街(われわれは西新の旧道と呼んでました)にはリアカー部隊と称せられる野菜の直売の店が並びます。

この旧道沿いは安くておいしい店が多いところです。

われわれが若いころからある店もまだ現役。

回転焼きの「蜂楽饅頭」、ちゃんぽんの美味しい「あっぱれ食堂」などは懐かしい店。

さいきんでは「むっちゃん饅頭」が人気だとか。

女優の山本美月さんが高校時代によく食べに来ていたと「笑っていいとも」で話していました。

 

そのうえ交通は至便で天神まで地下鉄で十分ちょと。

さらに海側には福岡ドームや博物館だけでなく中央図書館があり映画館も併設されています。

そういう文化施設が整っているのも人気の理由でしょう。

 

今回買取に行った高取や祖原あたりはちょっと小高い公園がいくつかあります。

紅葉山公園や祖原公園。

天気がよければ散策したくなります。

そんなところも含めてとても環境の良い住宅街です。

一度は住んでみたいところ。

 

 

「今日中に本と雑誌を処分したいのですぐに来てほしい」との電話をいただきました。

急いで駆け付けたところ、お客様は雑誌に紐を掛けて搬出中。

お聞きするとすでに回収業者を呼んだので間もなく到着するだろうとのこと。

雑誌の中身を見ると、弊店で買い取りできそうなものがチラホラ。

その旨お伝えし、雑誌の山を一部買い取らせていただきました。

お客様にしてみれば、タダで(またはお金を払って)回収してもらうつもりだった古紙に値段がついたのでちょっと驚いていた様子。

 

それ以外に写真集を2箱と単行本などを数箱買い取らせていただきました。

なんでも親戚の方が事故で亡くなったそうで、仕事の合間の時間を工面して遺品整理をしたいたとのこと。

お忙しいなか、短時間で作業を終わらせたいとのご希望だったようです。

そのため、すぐに駆けつけると申し上げた弊店をお選びになったとか。

 

 

 

よかばい堂は写真集や雑誌の買い取りをしています。

まずはお電話でご相談ください。

古書よかばい堂

092-408-4208

 

 

 

 

追記;2月7日

西新方面でも買い取りが続きます。

今日もこの地区からお電話をいただき買い取りに参上。

今日は祖原公園の近くのマンション。

ここらへんもいい環境です。

閑静な住環境だけど、ものの数分歩くと西新の商店街がすぐ近く。

 

絵本や洋書などを買わせていただきました。

このお客様、一度メールでお問い合わせをいただいたことが。

その際の回答をご覧いただいて弊店をご指名いただいたようです。

 

 

どんな本が高く売れるんですか?と聞かれたので、

「専門性が高いものは基本的に高くなるケースが多いです」。

さらに、「昭和の頃の芸能雑誌は高いものが多いですよ。明星・平凡は週刊でも月刊でもお売りください」

とご案内。興味深そうにお聞きになっていました。

 

 

追記2:2月9日

先日雑誌等をお売りいただいた方から再度お電話。

別の部屋からさらに本が出てきたので処分したい、とのこと。

本日午後お伺いする予定です。

 

こういうリピーターの方はありがたいです。

 

 

追記3:2月9日

上記の雑誌の買い取りに行ってきました。

上に書いたようにリピーターの方から2回目のご指名。

 

段ボールで8箱ほど買わせていただきました。

他にも衣類の処分も合わせてなさりたいと相談を受けました。

衣類は弊店では扱いませんが古物商という意味では近い業種と言えます。

「調べてみてわかったらご連絡します」とお伝えし、いったん事務所へ。

ネットでいくつか調べてみて、今日すぐにでも現地に来てくれそうな業者を選んでご紹介してみました。

 

ここまでやる必要はないと言われるかもしれません。

ただ、弊店は古本を中心とした整理処分の御相談に乗れる体制をつくりたいと考えています。

そういう点では他の古書店とは違ったアプローチかもしれません。

なるべく間口を広げてご相談に乗りたいと思っています。

本や古本を入り口にしてなるべくいろんなことへ対応できる力をつけたいと思います。

 

よかったらさまざまなご相談をお寄せ下さい。

お電話お待ちしています。

古書よかばい堂

092-408-4208

 

 

 

 

新着のご案内 「失神する本 マジメ人間読むべからず」川上宗薫 


6月 13th, 2013 | Permalink

川上宗薫といえば戦後昭和の代表的な官能小説家のひとり。

徳間書店から出ているこの新書は、いまではちょっとみられない牧歌的な雰囲気を持っている。

もっぱらエロティックな話がほとんどの本だけど、どこか牧歌的だ。

そういえばこの作者「失神派」と呼ばれていたような記憶が。

いかにも昭和な感じがするタッチのイラスト。

フジ三太郎に似てる。

2015.1.16追記

ウィキペディアによると彼は1946年西南学院卒業とある。

同じ年、西南学院のすぐ近くに住んでいた長谷川町子は夕刊フクニチの要望で「サザエさん」を連載する。

時に長谷川町子26歳川上宗薫22歳。

今では福岡市営地下鉄の西新駅から西南学院方面に向かう道には「サザエさん通り」の名称がついている。

通りの西側には修猷館高校がある。

1954年には宇能鴻巣一郎が同校を卒業している。

長谷川町子は措いといて、川上と宇能という昭和の官能小説の両巨頭が同じ街に青春期を過ごしたことは興味深い。

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